ありんくりんレポート
2015年ナガサキアゲハ有尾♀の採卵、飼育経過
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(2015年10月20日〜)
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2015年10月20日(午前8時00分)名護市でナガサキアゲハ有尾♀を採集しました。
10月22日にリシャール式で採卵、計47卵を産卵→10月27日には全卵が孵化→10月31日には2齢幼虫47幼確認したところで、近所のお庭のヒラミレモンに移して袋がけでそのまま野外飼育としました。
袋の外から観察していますが、糞の量も大量で、寄生の心配もなさそう。順調に生育しているようです。
12月1日、糞もなくなり、蛹化したようです。この日、旧暦では10月20日、気温が高い日が続いていて果たしてうまく休眠してくれるかどうか、気になります。
12月7日、袋がけの中で2♂(F1)羽化してました。個体の大きさは春型らしい小型でした。後翅表の青色鱗粉が目立って散布されていて台湾型らしい個体です。今年は気温が高い日が続いていて、もしかしたら蛹は非休眠蛹になるのではないかと心配していました。心配が的中、残念ながら羽化に至ってしまいました(累計4)。
12月8日、袋がけの中で3♂1♀(有尾型)羽化してました(累計6)。
12月9日、袋がけの中で5♂1♀(有尾型)羽化してました。この日の夕方、翌日から雨ということで、袋がけの中から蛹を全て回収、室内の暗くて涼しい場所に移動させました(累計12)。
この後の経過は以下。
追記(F1羽化の記録);12/10→4♂4♀(3♀有尾型、1♀無尾型=台湾型。累計20)。12/11→3♂1♀(無尾型=台湾型。累計24)。12/12→1♂(累計25)。12/13→1♀(有尾型。累計26)蛹は残り18頭、果たしてこの中から休眠に入って春型が得られるか気になるところです。
12/14、16時頃;23度、羽化なし(残りの蛹は緑色型11、褐色型7)
12/15、17時頃;23度、羽化なし(羽化の兆候もなし)
12/18現在羽化の兆候はありません。
ちなみに、野外では有尾型と無尾型の中間型を見た覚えがなく、しかも待望の春型が得られそうで、色々と楽しい想像(皮算用ですが)をしています。
それにしましても、万が一、春型も得られるとしましたら、1♀が1日で産んだ卵から非休眠蛹と越冬蛹が別れて得られるということになり、野外でもそのような事が起こりうるのか興味がつきません。
無事に羽化すると仮定しましたら、47卵(1日、1回限りの採卵数)→2齢47幼虫を野外袋がけ→44蛹回収と、孵化率100%、羽化率93%となります。とても優秀な♀を採集できたのですね。
※幼生期などの写真撮影は行っていません。羽化個体についてはこちら