ありんくりんニュース
「ありんくりん通信 8号」の発行を終え
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「ありんくりん通信 8号」(双尾II、2015年9月29日発行)
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巻頭はコウトウマダラです。採集経験豊富な新田智ですが、コウトウマダラに関しましては1988年に八重山で大量飛来の時に複数採ったきり、その後、各島を何度も渡島しても目撃すらないといった蝶です。私が蝶研出版に入社した年が1989年でしたから、私も結局、現在まで本種を見た事がありません。話では雪のように白い蝶だと聞いています。美しいんだろうな〜。※掲載標本写真はこちら
今年はカワカミシロチョウが大量飛来の年でした。こうした蝶の大量飛来の年に標本集めはもちろん生態も含めじっくり観察・撮影しておかないと後悔するハメになりそうです。
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「蔵出し My Collections」では杉本安夫氏コレクションその2として、リュウキュウムラサキをご披露頂きました。リュウキュウムラサキは地域変異にとんでおり、それぞれのタイプに台湾型、大陸型、赤斑型、フィリピン型、そして間性とややこしいです。杉本安夫氏より、コレクション箱の写真を頂きましたので、ここに貼付けておきます。「ありんくりん通信 8号」でご紹介しています写真5の異常個体は以下の写真左から3番目の箱の中で、左列下から2頭目の個体です。小型で変わった斑紋をしています。

掲載標本写真はこちら
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新しい「追跡」コーナーでは、野外での幼生期の同一個体追跡写真を紹介します。今回は2012年に野外でスミナガシの越冬蛹を羽化まで追跡しました。羽化のシーンは神秘的です。羽化時間とともにお楽しみください。

「ありんくりんニュース」→スミナガシ越冬蛹を追跡せよ(2012年2月21日〜2月29日)
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巻末の「琉大風樹館コレクション」は「多良間島のマサキルリマダラ♀(フィリピン型)」ラベルには「Tarama Is. 27-VII-1974 M.Matudo」(沖縄県多良間村(多良間島) 1974年7月27日 マツドウ)とあります。ちなみに、「白水隆 日本の迷蝶 I」を照らし合わせますと「小路嘉明、沖縄・八重山蝶採集ガイド;101、1985」がありました。多良間島の記録は後にも先にもこの個体のみのようです。※掲載標本写真はこちら
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実は、今回はカワカミシロチョウの特集号の予定でしたが、新田智のエンジンがかからず、他の記事で埋めました。思い入れが強いと、なかなか筆が進まないものです。こうして先送りされる目玉原稿が後回しにされていきます。そうこうしていると、また新たな知見がという風になりそうです。月に複数出しても間に合いそうにない状況ですね。