ありんくりんニュース
「ありんくりん通信2」の発行を終え
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「ありんくりん通信 2号」(双尾II、2015年5月21日発行)
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まずは、平良渉氏にお願いして「西表島のオビコノマチョウの記録」をご執筆頂きました。2号再発行に花を添えていただきました。オビコノマチョウは、2011年にも西表島(♀ 祖納 2011年4月17日;月刊むし490、2011)で記録されており、迷蝶として西表島には入って来やすい蝶になってきているのではないかと想像して、今年の6月中旬の西表行では期待していたのですが、やはりそう簡単ではありませんでした。※掲載標本写真はこちら
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数年前から、沖縄の離島別蝶の記録分布表というのを作り始めました。蝶研出版をやっていた頃は「蝶類年鑑」作成という名目で同好会など多くのご協力を受け日本全国から日本蝶類の書籍が集まってきてました。今は目を通す機会も殆どなくなり、新たな記録地については追加するすべも無くなって来ています。それでも、今の段階だったら沖縄県の離島に絞ってプロットする事は可能と思いたち作り始めました。比嘉会長をはじめ沖縄昆虫同好会のご協力の元「沖縄県の蝶類分布表、沖縄市立郷土博物館紀要 第17号 あやみや」や「沖縄県の蝶・記録された島と食草;(別表、沖縄県内で発生が確認され島で記録された蝶)」を参考に原型を作成しプロットし始めました。また、矢後勝也氏から毎年ご謹呈頂いている月刊むしの「●●年の昆虫界をふりかえって(蝶界)」別刷りは大変ありがたく、プロットの追加をしていました。
プロットしていくうちに、大変不味い事に気がつきました。私たちが離島で見て来ている種のプロットが無い事でした。さらに悪い事に、以前に「琉球の昆虫」や「ゆずりはクラブ」の情報に投稿していたかについて、自身のブログや「ありんくりんニューレポ」などのホームページに書き込んで終わった事で満足し、正式に発表したかどうかについて分からなくなってきている事です。これは、不味い!!
「ありんくりん通信」の発行にはこのような事がないように自分達の記録覚え書きにもしたかったというのもあります。
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新田智は蝶の撮影以外に様々な動植物も撮影しています。こうした沖縄の生き物や植物を幅広く、冊子の名前の通り、ありんくりん(あれやこれや)沖縄を紹介するというのを目指しているようです。蝶愛好家が作る雑誌は蝶が主役になりやすいのですが、あえて蝶を脇役に見立てるのも面白いかもしれませんね。
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巻末は、心残りだった未発表の記録を載せました。
蝶研出版を解散する前に頂いた原稿についてです。手元に2点あったのですが、それはいずれも日本初記録に関わる原稿でした。
1点は今回「ありんくりん通信2」でご報告いただいた「名古屋市内で採集されたコリンナルリマダラ」です。中島悦雄氏に連絡をとりご了承を得ました。また、川口輝和氏にも連絡をとり、標本写真のお願いをしてみました。しかし、運悪くその標本は中島悦雄氏の手元にあり、中島氏はご高齢のため、撮影が難しいのではないかとのこと。それでもと中島氏にお願いしてみましたが、待てば発行が遅れると判断し、コピーの写真になりました。川口輝和氏に完成した「ありんくりん通信2」をお届けしましたところ、大変感激され、当時この標本を同好会に持ち込んだ時に海外の蝶の混入ではないかなどと取り扱ってもくれなかった事を口惜しく思っていたとの旨、採集時の生々しいお話聞かせて頂きました。※掲載標本写真はこちら
もう一点は、K氏所蔵の標本で頂いた原稿の表題は「沖縄本島で採集された未発表の迷蝶?」というもので、当時蝶研出版で図鑑を調べましたところ「トリタエアアサギシロチョウ♂(前田茂氏、1974年3月29日、玉城村百名)」と判明したものでありました。K氏にも同様に「ありんくりん通信」へのご報告をお願いしましたところ、思い出したように「この原稿は、沖縄在住の前田茂氏から標本を頂いた中にあったものです。投稿当時、編集部の方から、前田氏は海外へも出かけられておられる事から、混入ではないかとの話で扱いを慎重にされ、ボツになったはずですよ」とお返事を頂きました。私は沖縄、本社は大阪と離れていて当時誰がそう判断したのかも記憶の片隅にも無く、手元に残る原稿を改めて見直すだけに終わってしまいました。今となっては真意は分かりませんが、埋もれてしまう記録はまだあるのかもしれませんね。
最後に編集後記に書ききれなかった思いを。
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「ありんくりん通信」を2009年1月に創刊しましたが、その後は出す事もできてません。無料配布をもっとうに考えて、創刊号は多くの方々にお送りしました。2号もこのやり方で行こうと思っていたのですが、その機会を待っていたらほぼ永久に出せない事にようやく気がつきました。そもそも、印刷屋を通し、部数を多く作り、送料も持つといった大それた事を目標にしたのが間違いでした。
今や、ネット(ブログ、フェイスブック、ライン)では美しい写真や最新の情報が常に塗り替えられ、忘れ去られたりしがちです。そんな中、自分自身、印刷物への欲求が高まって来ました。また、撮りためた写真は膨大になり、夢を夢で終わらせないように、自分が見て来たものを何らかの形で残さなければと言う思いが強くなって来ました。幸い、編集ソフトも家庭用のプリンターもあります。部数さえこだわらなければ、出来る範囲で発行できる!ということで、双尾2をご利用頂いた方々へ感謝の気持ちとして『ありんくりん通信』をお送りするように方向転換いたします。
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そんな強い思いで発行しました。それで今年、5月以降にご注文頂いた方々にも感謝の気持ちとしてお届けしましたが、結局何の反応も頂けず、実は独りよがりの発行なのだと痛感しました。しかし、自己満足の世界でも発行し続けるのが目標と頭を切り替える事にしました。
ようは、「ありんくりん通信」を入れても入れなくても、売り上げアップには繋がらない事が分かっただけでも自覚ができて良かったのかもしれません。