ありんくりんニュース
「ありんくりん通信 61号」の発行を終え
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「ありんくりん通信 61号」(双尾II、2023年5月4日・みどりの日発行)
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 今年はモンシロチョウの多い春でした。今回、新食草を記録できてよかった。
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「ありんくりん通信61」記録覚書.
 食草;モンシロチョウ卵・幼虫・蛹・産卵をモリンガ(ワサビノキ科)で確認 宜野座村漢那 2023年4月18日、25日 新田敦子「モンシロチョウの新食草モリンガ」ありんくりん通信(61)1-3.
 食草;ユウレイセセリの幼虫をイヌシバ(イネ科)で確認 国頭村浜 2023年5月2日 新田敦子「ユウレイセセリの食草イヌシバ」ありんくりん通信(61)4
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追記(「ありんくりん連絡蝶2023.05.21」より);今年は春先からモンシロチョウを多く見られましたので、本種の幼虫写真を撮りためようと考えました。4月18日は大宜味村喜如嘉でアブラナ、ダイコン、ブロッコリーで幼虫を撮影、宜野座村漢那で新食草モリンガ(ワサビノキ科)で発生を確認できました。
さて、話は逸れますが発生迷蝶について。まず母蝶の凄いところは、分布を拡大させるため海をも渡り、食草にありつく能力です。発生迷蝶の始まりは、些細なきっかけを目ざとく察知する母蝶の本能にあるのです。例えば、2001年西表島で発生したジャノメタテハモドキ、大富の畑でリュウキュウウロコマリの群落で発生しました。食草のリュウキュウウロコマリは、この年をピークに荒れてしまったり土地改良でなくなってしまいました。また、2002年西表島の相良川付近で複数得られたハイイロタテハモドキは発見が遅れたため、発生の確認ができなかったのですが、当時休耕田だった田んぼでツルノゲイトウが繁茂していたそうです。その後、西表島では水田が盛んになり、相良川付近の休耕田はなくなりました。身近なところでは毎年、沖縄本島に飛来するクロマダラソテツシジミ、母蝶が食草にたどり着く能力は半端ないと実感します。また、母蝶の凄いところは常に進化を求めているのでは?と思うところです。『ありんくりん通信48号』で記録していますが、クロマダラソテツシジミがクロヨナの蘖に一生懸命産卵していました(その後、孵化して幼虫が食いついたかは不明)。石垣島でアオスジアゲハの幼虫がゲットウで報告(熊谷隆・熊谷恵子、季刊ゆずりは55)、産卵されたかどうか不明ですが幼虫は成長することが確認されました。実際、新田智もうるま市でゲットウを食するアオスジアゲハ幼虫を確認しています。
2022年の秋、沖縄本島南部でタイワンシロチョウが初記録されました(比嘉正一・野林千枝、季刊ゆずりは94)。同時にギョボクで発生を確認されました。ここからが私の妄想です。母蝶は何に触発されたのか?。もしかしたらモリンガかもしれません。沖縄本島では最近、話題になっているモリンガ茶などで栽培が始まりました(インド北西部のヒマラヤ山脈南麓を原産とし、熱帯・亜熱帯地域で広く栽培)。母蝶がこの変化を察知し、沖縄本島へ飛来したとしたら・・・・。万が一にも、モリンガで幼虫が見つかるかも知れません。沖縄島南部の在住の方、是非とも新食草発見にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?。