ありんくりんニュース
「ありんくりん通信 29号」の発行を終え
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「ありんくりん通信 29号」(双尾II、2018年9月30日発行)
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 今回は西表島で撮影・観察した2種類の蝶について紹介している。「西表島のスミナガシ、2004年〜2010年」では、ヤンバルアワブキでの産卵、幼虫など、成虫は♂の吸水を示している。
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  「西表島のタイワンキマダラ、2003年〜2015年」では、トゲイヌツゲ、ヤナギ類、イイギリでの幼生期などを示した。
 ヤナギ類で発生している個体は、同じ場所で同植物を摂食したウラベニヒョウモンが発生していた。明らかな競争が起こっているのか、老熟幼虫になると糸を吐いてぶら下がり、他物へ移動しようとする。ヤナギ類の下にはアダンがあって、アダンの葉を移動する個体や、アダンで蛹化したのか、羽化殻も見つかっている。ちなみに、トゲイヌツゲで発生している個体群は食草を独占しているからか、主に食草で蛹化している。
 今回、本報をまとめるにあたって、ヤナギ類を摂食する幼虫の写真を精査しました。「日本産幼虫図鑑」(学研)を参考に見ますと、ウラベニヒョウモンはありましたが、肝心のタイワンキマダラの幼虫がありませんでした。終齢幼虫は明らかに差異があるのですが、若齢が分かりにくく苦労しましたが、よ〜く見ると頭部が若干違うのがわかりました。ウラベニヒョウモンの方が頭部が黒く、刺が短いと感じました。蛹は突起にヒモ状の物体が付いているのがタイワンキマダラです。随分昔の写真ですが、よ〜く精査すると見えて来るものですね。なお、双尾IIのホームページの幼生期図鑑では、今まで若齢幼虫が間違って掲載していました。写真を正しく掲載出来てホットしています。それにしましても、ウラベニヒョウモンは久しく発生していないようですね。
『ありんくりん通信29』記録覚書
新田智「西表島のタイワンキマダラ、2003年〜2015年」ありんくりん通信29号(2018)3-6.
タイワンキマダラの幼生期をトゲイヌツゲ、ヤナギ類、イイギリで確認・撮影。