ありんくりんニュース
沖縄県で発生中のホリイコシジミ(2013年9月21日〜)

 2013年9月21日、新田智は、近所(うるま市川田)のヤナギバルイラソウにホリイコシジミ♀が産卵しているのを発見。食草をよく観察したところ、終齢幼虫2頭と3蛹を見つけ撮影、この他に羽化殻も見つけた。羽化殻もあったことから、逆算すると1ヶ月前にはここに入って来ていた事になるのではと想像された。
 従来、沖縄県内(八重山を除く)では那覇市のデータが殆どで、新田智の記録によると1993年に沖縄本島、伊江島で発生した時はランタナで沖縄市、具志川市(現在はうるま市)、名護市、読谷村、伊江村を記録している。このことから、本種の大発生は1993年以来、20年ぶりである。今回、食草は主にヤナギバルイラソウで確認している。ちなみに、探索中は環境の良さそうなランタナにも注目して成虫が飛んでいないかを見て回っているが、今回の記録地中、唯一、今帰仁村呉我山のみコバノランタナで確認している。
その後、10月19日には自宅のコバノランタナで産卵する♀を観察、10月21日に津堅島へ渡島し、コバノランタナで大発生しているのを確認できた。ヤナギバルイラソウの花期は、そろそろ終わりに近づいているので、ランタナ喰いの発生は年内、ひょっとしたら年明けでも確認できる可能性が出て来た。恐らく越冬形はなく発生を繰り返しながら続くであろうから、どの程度の耐寒性があるか今後も観察を続けたい。
以下にまとめて各産地ごとに2〜4枚の写真で環境、幼生、成虫などを紹介する。写真撮影・観察、全て新田智(特記A=新田敦子)。2013年を省略

うるま市川田 2013年9月22日 同左産地 伸縮突起を出しながら移動する終齢(ヤナギバルイラソウ)9月21日 同左産地 羽化間近の蛹 9月27日 自宅庭 ケブカルイラソウで産卵の♀ 9月29日
本部町伊豆味 2013年9月30日 同左産地 中齢(ヤナギバルイラソウ)9月30日 同左産地 終齢(ヤナギバルイラソウ)9月30日 同左産地 交尾 9月30日
今帰仁村呉我山(コバノランタナ) 2013年9月30日 同左産地 交尾 9月30日 今帰仁村呉我山(ヤナギバルイラソウ)9月30日 同左産地 産卵(ヤナギバルイラソウ)9月30日
名護市屋我地島 2013年9月30日 同左産地 終齢(ヤナギバルイラソウ)9月30日 本部町古宇利島 2013年9月30日 同左産地 産卵(ヤナギバルイラソウ)9月30日
宜野座村漢那 2013年9月30日 同左産地 ♂(ヤナギバルイラソウ)9月30日 東村宇出那覇 2013年10月1日 同左産地 産卵(ヤナギバルイラソウ)10月1日
名護市名護城 2013年10月1日 同左産地 終齢と中齢(ヤナギバルイラソウ)10月1日 同左産地 前蛹(ヤナギバルイラソウ)10月1日 同左産地 産卵(ヤナギバルイラソウ)10月1日
本部町瀬底島 10月1日 同左産地 終齢(ヤナギバルイラソウ)9月30日 大宜味村宮城島 2013年10月1日 同左産地 終齢(ヤナギバルイラソウ)9月30日
国頭村辺土名 10月2日 同左産地 ♀(ヤナギバルイラソウ)10月2日 金武町並里 10月2日  同左産地 終齢(ヤナギバルイラソウ)10月2日 
大宜味村饒波川 10月1日 同左産地 ♀(ヤナギバルイラソウ)10月8日 大宜味村饒波 2013年10月14日 同左産地 寄生?蛹(ヤナギバルイラソウ)10月14日
恩納村山田 10月8日 同左産地 ♂(センダングサ類の花で吸蜜)10月8日 那覇市泉崎 2013年10月10日 同左産地 ♂(ヤナギバルイラソウ)10月10日
うるま市(津堅島)10月21日 同左産地 ♀産卵(ランタナ)10月21日(A) うるま市(津堅島)10月21日 うるま市(津堅島)10月21日
うるま市(津堅島)♀産卵ヤナギバルイラソウ)10月21日(A) 同左産地 終齢ヤナギバルイラソウ)10月21日(A) うるま市(津堅島)終齢コバノランタナ)10月21日 うるま市(津堅島)中齢コバノランタナ)10月21日