ありんくりんレポート
in水納島(2013年12月2日)
 11月19日に伊江島へ出かけた際、ホリイコシジミが移動してきて間もないのではないかと実感できました。となると前回水納島へ渡島したのは10月29日、もうそろそろ飛来して来ているかもしれないと予想しました。本部町の渡口港へ行くと12月からダイヤ変更で今まで10時出港が11時の出港、しかも1日2往復のみに変わってました。9時過ぎに港に到着していたので、出港までの待ち時間に瀬底島へ行って見ました。瀬底島のホリイコシジミ発生地はヤナギバルイラソウで前回見つけた時は、花も満開で株も多くありました。しかし、民家の脇にはえていたので、民家側の株は切り戻し剪定されていて、ありませんでした。道を挟んだ空き地に少し残っていて、3幼虫と1♂を確認できました。瀬底島では発生の末期なのかもしれませんね。
さて、いよいよ水納島へ。前回食草を見て回っていたので、そこを中心に回る事にしました。集落へ入って直ぐの民宿の脇にある畑にチラチラと飛ぶ、ホリイコシジミ♀を発見しました。智が撮影し、後に私が採集しました。これは幸先が良い、早速、付近のヤナギバルイラソウを見ましたが、発生の痕跡は全くなく、卵らしきものも確認できませんでした。結果的には、他のどのヤナギバルイラソウもコバノランタナにも食痕や卵など発生の兆しは見れず、また成虫も追加はできませんでした。
水納島は迷蝶の実績がある島です。北からの迷蝶、キタテハの記録もありますし、南からの迷蝶、コモンマダラやヤエヤマムラサキなどの記録が上がっています。海を渡る迷蝶が移動する時、立ち寄る確率の高い島なのかもしれません。そして、今回採集できたホリイコシジミ1♀もただ単に移動途中に寄っただけの事だったかもしれません(何故こう感じたかと申しますと、飛び方が落ち着きがなく、食草を探しているような感じも無い飛び方でした、♀なのに卵も見れなかったなど)。このような、小さな蝶がただ立ち寄っただけで明日には島ヌケしたかもしれないそんな個体に、偶然出会えたことは、そうとうな強運ではないかと思いました。この強運、実は続きがあります。
ホリイコシジミ発生確認を早々に断念し、二人は別行動をとりました。それで、智は南灯台付近でマーキングされたアサギマダラを再捕獲しました。自宅に戻りアサギマダラ調査会の金沢至氏にマークをお尋ねしましたところ、山口県からの標識と分かりました。金沢至氏に感謝申し上げます。
海を渡り、旅をする蝶に出会える確率は、いったいどのくらいなのでしょうか?。ともあれ、今日はいい日でした。
//////////////////////
標識:山口きらら 10.14 TK。0836661001
性別:♂
標識日:2013年10月14日
標識地:山口県山口市阿知須509−88、道の駅きららあじす
標識者:兼重隆文(道の駅あじすきらら駅長)
備考:花壇の満開のフジバカマに飛来・訪花、標識した。
↓↓↓↓↓↓
標識:山口きらら 10.14 TK。0836661001
性別:♂
再捕獲日時:2013年12月2日 12時40分頃
再捕獲地:沖縄県国頭郡本部町(水納島)南灯台付近
再捕獲者:新田智撮影・採集
備考:センダングサ類の花で吸蜜中の個体を撮影/再捕獲
//////////////////////
《2013年12月2日、水納島で観察・目撃した蝶(観察者;新田敦子)》
チャバネセセリ・モンキアゲハ(智)・キチョウ・モンキチョウ・ナミエシロチョウ・ツマベニチョウ・ヤマトシジミ・ホリイコシジミ・アサギマダラ・リュウキュウアサギマダラ・ツマムラサキマダラ・ルリタテハ・イシガケチョウ(写真はすべて水納島、2013年12月2日、新田智撮影)記録の詳しくは水納島蝶の記録へブログも見てね!(文責;新田敦子)。
ホリイコシジミ♀(結局、唯一の個体となった) マーキング、アサギマダラ♂(センダングサ類で吸蜜) ミナミキチョウ卵(ナンテンカズラ) リュウキュウアサギマダラ(アブラナの花で吸蜜、島には多くの個体が居ました)