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追跡!、野外でリュウキュウムラサキを追え(2010年10月24日〜12月15日。終了)

 10月24日、今帰仁村でリュウキュウムラサキ(フィリピン型)♀がツルマオに産卵する様子を撮影しました。産みつけられた卵から野外における幼虫追跡調査をする事にしました。追跡が続く限り、写真をアップして行きます。その成長段階をお楽しみください。簡単に解説も添えてます(キャプション中の今帰仁村、新田智撮影は省いている)。なお、文責は敦子となっていますが、産卵の日(10/24)以降はその現場には立ち会っておらず、写真整理や話をきいて感じた事を綴っています。

【写真1】産卵 2010年10月24日 【写真2】卵 2010年10月24日 【写真3】1齢食痕 2010年10月31日 【写真4】1齢 2010年10月31日
【写真5】1齢 2010年11月1日 【写真6】1齢入眠 2010年11月2日 【写真7】1眠起2齢 2010年11月3日 【写真8】3齢 2010年11月8日
【写真9】3齢 2010年11月9日 【写真10】3齢入眠 2010年11月10日 【写真11】3齢入眠 2010年11月11日 【写真12】3齢眠起、4齢 2010年11月11日
【写真13】4齢眠起、5齢 2010年11月15日 【写真13】4齢眠起、5齢 2010年11月15日 【写真13】4齢眠起、5齢 2010年11月15日 【写真16】5齢 2010年11月16日
【写真17】5齢 2010年11月17日 【写真18】5齢 2010年11月18日 【写真19】6齢 2010年11月24日 【写真20】6齢 2010年11月24日
【写真21】6齢 2010年11月26日 【写真22】6齢 2010年11月28日 【写真23】6齢 2010年11月28日 【写真24】前蛹 2010年11月30日
【写真25】蛹(側面) 2010年12月1日 【写真26】蛹(腹面) 2010年12月1日 【写真27】蛹(背面) 2010年12月1日
【写真28】蛹(側面) 2010年12月14日 【写真29】蛹(腹面) 2010年12月14日 【写真30】蛹(背面) 2010年12月14日
【写真31】羽化シーン 2010年12月15日 13時52分 【写真32】羽化シーン 2010年12月15日 13時53分 【写真33】羽化シーン 2010年12月15日 13時54分

《写真1.2 2010年10月24日、今帰仁村(新田智観察、文責:新田敦子)》
 フィリピン型♀が産卵しています(写真1)。この背丈の低い、小さな草をツルマオであるということが、即座に分かることが智は凄いな〜と思うのであります。産卵時間は12時41分でした。葉裏に4卵産みつけられました(写真2)。
《写真3.4 2010年10月31日、今帰仁村(新田智観察、文責:新田敦子)》
 約一週間後、小さな食痕を見つけました(写真3)。孵化した幼虫は1頭のみ。果たして本当にリュウキュウムラサキの幼虫なのだろうか?、智は当時心配そうでした(写真4)。
《写真5 2010年11月1日、今帰仁村(新田智観察、文責:新田敦子)》
 翌日の様子(写真5)。食痕が増えています。少しは大きくなったかな?。葉裏の中心の脈にいます。
《写真6 2010年11月2日、今帰仁村(新田智観察、文責:新田敦子)》
 食痕のない無傷の新しい葉っぱに移動して入眠に入りました(写真6)。入眠に入った印は頭部と胴体の付け根の所がセムシになるのが特徴です。この時を逃してはいけません。
《写真7 2010年11月3日、今帰仁村(新田智観察、文責:新田敦子)》
 無事、2齢になりました(写真7)。お昼頃に撮影しました。食痕もあります。
《写真8 2010年11月8日、今帰仁村(新田智観察、文責:新田敦子)》
 しばらくぶりの観察です。3齢になっていました(写真8)。
《写真9 2010年11月9日、今帰仁村(新田智観察、文責:新田敦子)》
 1〜2齢では目立ちませんでしたが、3齢になると頭部は角のようなものが目立って来ます(写真9)。この日は伊江島渡島の日でしたが、出港時間前に立ち寄って撮影しました。
《写真10 2010年11月10日、今帰仁村(新田智観察、文責:新田敦子)》
 ツルマオの葉裏で3齢入眠に入りました(写真10)。この日は水納島渡島の日でしたが、出港時間前に立ち寄って撮影しました。
《写真11.12 2010年11月11日、今帰仁村(新田智観察、文責:新田敦子)》
 朝9時前、昨日と変わらず入眠です(写真11)。しかし、お昼過ぎ脱皮を済ませ無事4齢になっていて、バリバリ食事をしていました(写真12)。脱皮の瞬間を狙うというのは、なかなか根気がいります。
《写真13.14.15 2010年11月15日、今帰仁村(新田智観察、文責:新田敦子)》
 天気が悪い日が続き、なかかな追跡の幼虫を見に行く機会がもてませんでした。久々の調査で、4齢眠起明け、5齢になりたてになっていました(写真13、10時35分)。脱皮殻の黒い塊が見えます。脱ぎたては黄色い刺が目立ちます(写真14、10時43分)。このくらい大きくなると動き回るのでもう、追跡は終わったかと断念しそうになっていたようですが、根気づよく何度も見直してようやく見つけたそうです。3齢入眠までは食草で入眠していたのですが、4齢入眠はセンダングサの葉裏でだったようです。その後、脱皮殻を食べ始めました(写真15、12時30分)。この頃になると刺の色も濃くなってきました。この日、なかなか追跡幼虫を見つけきれず、道を挟んで反対側で4齢入眠の個体を見つけました。
《写真16 2010年11月16日、今帰仁村(新田智観察、文責:新田敦子)》
 大きくなると、探すのが大変です。ようやく見つけました。唐札の色も安定してきました。刺も立派です。特徴的な幼虫ですね(写真16)。この日、さらに道を挟んで反対側で1頭追加しました。昨日の1頭とあわせて道を挟んで反対側では2頭追跡です。
《写真17 2010年11月16日、今帰仁村(新田智観察、文責:新田敦子)》
 今日も探しきれません。しかたがないので道を挟んで反対側での2頭追跡を撮影しました。そして、同じくこの反対側で2頭追加、計4頭追跡する事になりました。何度となく気持ちを切り替えて卵からの追跡個体探しをしましてようやく見つけました。ツルマオを摂食中でした。頭部のアップを写真に撮りました(写真17)。
《写真18 2010年11月16日、今帰仁村(新田智観察、文責:新田敦子)》
 気長に撮影を楽しむ気持ちです。追跡が5個体に増えましたが、それぞれに特徴や年齢差があって面白いです。野外での追跡の醍醐味でしょう。体の模様が目立ちます(写真18)。
《写真なし 2010年11月20日、今帰仁村(新田智観察、文責:新田敦子)》
 とうとう、卵からの追跡個体が見られなくなりました。野外での追跡の難しさですね。明日も出かける予定ですが、日を改めたら見つかる事もあることを信じて。
《写真なし 2010年11月21日、今帰仁村(新田智観察、文責:新田敦子)》
 残念ながら、卵からの追跡個体は今日も見つかりませんでした。他の4頭は昨日、今日と観察できています。
《写真19.20 2010年11月24日、今帰仁村(新田智観察、文責:新田敦子)》
 ここ2日間は天気が不順で出かけませんでした。そして、今日!やりました6齢になった幼虫を発見しました(写真19)。頭部の模様がクッキリとなり(写真20)、胴回りも太く体長も大きくなっていました。最初に観察していた近くにいたそうです。5齢末期〜6齢になるまでの間、どこかに移動していたのかもしれませんね。見つかってよかったです。今日の他の幼虫は3番だけが行方不明になっているそうです。2番は6齢、4番は脱皮直後の6齢になっていて脱皮殻を食べているところを撮影しました。5番は5齢末期で徘徊しているそうです。5番も時期に入眠に入りそうです。
《写真21 2010年11月26日、今帰仁村(新田智観察、文責:新田敦子)》
 ツルマオをバリバリ食べて順調です(写真21)。6齢(終齢)の頭部の模様は個体によって差があるようです。例えば2番は無紋になりました。5齢まではどの個体も似たような「ハ」の字の模様だったのですが・・。面白いです。
《写真なし 2010年11月27日、今帰仁村(新田智観察、文責:新田敦子)》
 むむむ!。発見できず。老熟に近づきここで終わってしまうのか・・・・。
《写真22.23 2010年11月28日、今帰仁村(新田智観察、文責:新田敦子)》
 探しまわってようやっと見つけました(写真22)。終齢も末期、これ以上野外においておくと、蛹化墓所を探しに徘徊が始まり追跡不可能になると本日、持ち帰る事にしました(写真23)。この判断は間違いありませんでした。
《写真24 2010年11月30日、今帰仁村産(新田智観察、文責:新田敦子)》
 前蛹になりました。
《写真25.26.27 2010年12月1日、今帰仁村産(新田智観察、文責:新田敦子)》
 蛹になりました。今日は、野外で他の幼虫の追跡をしました。どの幼虫も順調です。新たに6番目の5齢幼虫を見つけました。
《写真28.29.30 2010年12月14日、今帰仁村産(新田智観察、文責:新田敦子)》
 蛹化から2週間、少し色が濃くなって来ました。
《写真31.32.33 2010年12月15日、今帰仁村産(新田智観察、文責:新田敦子)》
 フィリピン型♂の羽化(13時52分開始)です。羽化の瞬間は何時見ても感動的ですね。